古来、ダイヤモンドは「力」や「強さ」の象徴とされてきました。
人の手がいっさい加えられていない、自然のままのダイヤモンド。独特なたたずまいが醸し出す「神秘性」は、研磨されたダイヤモンドにはない美しさであり、本来の「価値」でもあります。
選りすぐりの原石をカットし、磨きあげれば、ダイヤモンドは華麗な煌めきをとき放ちます。その一方で、自然のままのダイヤモンドは、ひとつひとつ「個性」を秘めているのです。
自然の美の極みである、SUWAのアンカットダイヤモンド。地球が生み出したその美しさは、永遠に人々を魅了し続けるのです。
「征服しがたい」という意味のギリシャ語「adamas」を語源とするダイヤモンドは、地球上で最も硬い鉱物です。ヨーロッパで研磨技術が生まれたのは、じつに14世紀に入ってから。しかし、人間が手を加えては〈聖なる力〉が失われると考える人が多く、15世紀になっても八面体をそのままセットした指輪が好まれました。
大自然の力を秘めたダイヤモンドは、絶えず人の心に訴えかけます。太古の昔に結晶し、地上で人々と出会い、時代を超えて受け継がれてゆく――。そんな悠久の旅の物語を、私たちに語りかけてくるのです。
冥界の王ハデスは、豊穣の女神デメテルの愛娘ペルセポネーに一目惚れし、彼女を強引に連れ去って妻にする――。そんなギリシャ神話のエピソードをモチーフとしたジュエリー。 イヤーカフを地上に、ピアスを冥界に見立て、それぞれにアンカットダイヤモンドを配してハデスを表現した。イヤーカフの水仙、ピアスのザクロは、ペルセポネーの象徴。
素材 : Pt950 K18 YG・PG
アンカットダイヤモンド(八面体)
イエロー / DRコンゴ産 0.61ct、ホワイト / ロシア産 0.42ct、グリーン / DRコンゴ産 0.49ct
ルビー 0.06ct、エメラルド 0.04ct、ダイヤモンド 0.02ct
2018年SUWAラフダイヤモンドジュエリーコンテスト最優秀賞 / デザイン:中嶋優花 / 製作:横山達三
稲妻が岩石に落ちてダイヤモンドができたとされるインドの神話を、シンプルながら立体的に視覚化したネックレス。メレーダイヤモンドを敷き詰めた地金で稲妻を表現し、その中央に八面体のアンカットダイヤモンドを配した。力強くシャープな躍動感があるジュエリー。
素材 : K18 YG
アンカットダイヤモンド(八面体)
アンゴラ産 1.17ct
ダイヤモンド 0.39ct
2018年SUWAラフダイヤモンドジュエリーコンテスト優秀賞 / デザイン:青木菜穂美 / 製作者:川島昇
天秤の一方の皿に「真実の羽根」を、もう一方に死者の心臓をのせ、生前の行いの善悪をはかるという、古代エジプトの神話「死者の審判」をモチーフとしたピアス。神話では、羽根のほうが重ければ善人であることが証明される。丸みを帯びた不定形のアンカットダイヤモンドが心臓を表している。
素材 : Pt950 K18 YG
アンカットダイヤモンド(不定形)
アンゴラ産 1.43ct
2018年SUWAラフダイヤモンドジュエリーコンテスト優秀賞 / デザイン:根岸翔子 / 製作:松川覚
ジョナサン・スウィフトの小説『ガリバー旅行記』がモチーフ。温かみと神秘性を帯びた八面体のアンカットダイヤモンドが、小人たちによって地面に縛り付けられてしまったガリバーの姿を表している。遊び心にあふれるデザインと、古代の遺物のような風合いが魅力。