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宝石辞典

産地と種類


現在のジェダイトの主要産地はミャンマーで、研磨地は香港です。またミャンマー以外にも南米のグアテマラで産出し、紀元前1500年から使用されていたといわれています。日本でも昔から新潟県の糸魚川近辺から産出し、縄文時代前期末の遺跡からも発掘されています。

ジェダイト (ヒスイ) (無処理)

グリーン・ジェダイト


通常カボションカットに研磨され、日本ではほとんどリングの主石として使われています。ヒスイまたはジェダイトというと、このグリーン・ジェダイトのことを意味します。研磨後の最終工程でワックスがかけられ表面の艶を出しますが、ヒスイの品質を大きく変えることはありません。

ラベンダー・ジェダイト


ジェダイトは多くの色相(色み)のものを産出します。グリーンに次いで、藤色(ラベンダー)が美しいといえます。そのラベンダーカラーにも明度(濃淡)とビューティグレード(美しさの段階)があります。青みが強すぎたり、透明度が低かったり、亀裂の存在や彩度によりビューティグレードが低下し、同じ大きさでも100倍もの価格差を生むのです。ただし、ラベンダー・ジェダイトは染色処理されることが多いので、信用できるお店の保証または鑑別書での確認をしたほうがよいでしょう。ほかには橙色、青、茶色、黒、白、グレイなどの色が産出されます。

ジェダイト (ヒスイ) (無処理)

処理ヒスイ


1980年代の初めから、透明度の低いヒスイを加工し樹脂含浸を施して、透明度を向上させて美しくする処理法が広まりました。香港ではこれをBタイプのヒスイとして、天然のものとは区別して扱っています。天然のものとの価格差は、同等の美しさでも、1/10以下となります。専門家以外はBタイプのものを判別しにくいので、ヒスイを購入する時、天然ジェダイトかどうかの確認が大切です。

品質の見分け方


ヒスイも他の宝石と同じく、明度とビューティグレードを物差しとして品質の位置づけができます。色が濃くて透明度が高く、小判型で縦横のバランスとほどよい高さ(厚み)があり、ていねいに研磨された、いわゆる形(なり)の良いものがビューティグレードSとなります。


品質の見分けの決め手は透明度です。帯留用のジェダイトの板は、新聞紙の上に置いても、下の文字が読めるほど透明度の高いものが良いものです。


ジェムクオリティのビューティグレードSは、透明度が高いうえに、ごくわずかですが青みが出ます。Aとの差は白熱電灯下で比較すると、見分けられます。ジュエリークオリティは、色(明度)は濃いが透明度が低いものと、色は淡いが透明度が高いものとがあります。また明度が6、5、4でビューティグレードCのものはアクセサリークオリティとしては上限であり、しばしばジュエリーとして使われます。明度が6、5、4でもビューティグレードDのものは、透明度を高くするために1mm前後にカットされ、下部にプラスチックがあてがわれますが、これは耐久性に問題があります。ジュエリーに加工されていると見つけにくいことが多いのですが、特に外国製品には裏側をふさいでプラスチックをあてがっているのを隠しているものが多いので、表側だけでなく裏側をチェックすることも必要です。


選び方


リングにするのなら10 x 8mm(約3カラット)以上のものが良いでしょう。ジュエリークオリティのもので、大きめの透明度の高いものを選ぶのも一つの選択です。ヒスイの価格は第2次世界大戦後に非常に値上がりし、 数十倍の値がついたものがあります。その後は高値安定で、産出よりも需要が多いという、まさに稀少性の高いものとなっていて、今後さらに需要が伸びそうな気配です。台湾では色の濃いめのものが好まれ、シンガポール、マレーシアでは色の淡めのものが好まれているようです。いずれにしても、透明度の高さと形(なり)の良さが選ぶ時の一番のポイントです。


3カラットサイズのジュエリークオリティの価格は、石のみで、1個当たり3,000USドルが目安です。(2004年現在)


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