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トライゴンについて

天然である「証」

八面体ダイヤモンドの表面にみられることのある逆三角形の模様「トライゴン」。

この美しい幾何学的なフォルムは、ダイヤモンドが地上に出てくる際におこった溶解作用によって生まれるとされています。

トライゴンは結晶面とは反対の方向を向いています。

ダイヤモンドが生まれた場所

ダイヤモンドは地球誕生から20億年ほど経ったころから、高温高圧の地下150Kmよりも深いところで結晶しました。

ダイヤモンドが安定的に生成する環境は私たちの住む地上(1気圧 世界平均15度)よりも遥かに高温高圧な環境(約5万気圧 1000度以上)です。

ダイヤモンドはマグマの上昇によって地表近くに運ばれますが、上昇過程に伴う圧力の減少により溶解作用を被った際、トライゴンが形成されるといわれています。

また地上に近づけば近づくほど、ダイヤモンドがダイヤモンドの結晶として存在するには難しい環境になります。そのため、ゆっくりとしたマグマの上昇によって地表に上がってきた場合、ダイヤモンドはマグマの中で石墨に変化してしまいます。

私たちが手にしている美しいダイヤモンドは、とても速い速度で極めて短時間のうちに地表近くに運ばれてきました。いくつもの偶然が重なり合うことで、私たちは幸運にも美しいダイヤモンドを手にすることができるのです。

※ 1911年に刊行された鉱物学者フェルスマンとゴールドシュミットの著書「Der Diamant」で溶解作用について語られていますが、トライゴンの成因については「溶解説」ではなく「成長説」であるという議論もありました。近年、研究が進み溶解説であることが明らかとなってきています。


溶解作用が進行すると八面体から球形に近い姿へと変化していくと考えられています

アンカットダイヤモンド