"合成"キュービック・ジルコニア
について
1965年のGIA(米国宝石学会)の教科書には、合成キュービック・ジルコニアが掲載されていません。当時、ダイヤモンドに似せた人造石は、合成スピネル、合成サファイヤ、チタン酸ストロンチウム、合成ルチルなどでした。いずれも無色のものが存在します。しかし美しい輝きに欠け、ダイヤモンドとは異なった感じのものです。1970年代中頃になって本格的な合成キュービック・ジルコニアの時代が始まりましたが、1カラット当たりの原石の価格は、当時10ドルだったものが現在では数セントと、数百分の1に下がりました。人造石は美しくても、大量に作ることが可能なため稀少性がなく、宝石とはいえないことが理解できる一例です。
なお天然のキュービック・ジルコニアはごく小さな結晶として自然界に存在しますが、宝石にカットできるサイズのものはありません。
品質の見分け方
ブルー・ジルコンは、色が濃すぎると透明度が下がり、美しさを失います。あまり濃すぎないことが、美しいものの条件です。また、肉眼で見えるキズの無いこと、カットの丁寧さ、特にアブレージョン(稜線の擦りキズ)の少ないことがポイントです。
ブルー・ジルコンは、加熱によってブルーの色を出しているので、処理中に亀裂が入ったり、良い色に仕上がらないリスクが伴います。美しいブルー・ジルコンの価値は、美しさとそのリスクを加味したものです。
選び方
ジルコンのブルーは、サファイヤにもアクアマリンにもない、独特の色合いがあります。もしこれがファンシーブルー・ダイヤモンドであれば、1カラットで1,000万円を超えてしまうかもしれません。現代のジュエリーに再びブルー・ジルコンが、使われる可能性もありそうです。宝石商が加熱処理と褪色の説明がきちんとできることを条件に、ブルー・ジルコンを品揃えする時がきているのかもしれません。
選び方のポイントは、ジルコン特有のブルーのモザイク模様にメリハリがあり、きらめきが美しい、多少淡めのものにすることです。
3カラットサイズのジュエリークオリティの価値は石のみで1個当たり500USドルが目安です。(2001年現在)
3カラットサイズに研磨される
宝石中で占める個数の比率
ct size | GQ | JQ | AQ |
10 | 8.0 | 4.0 | 2.5 |
3 | 2.0 | 1.0 | 0.5 |
1 | 0.4 | 0.2 | 0.1 |
Weight : 3.20 ct
Size (mm) : φ 8.1~8.2 × D 5.76
Heated
Gem Quality