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宝石辞典
カシミール産サファイヤ (無処理)

オーストラリア


オーストラリア産は19世紀末にすでに、ニューサウスウェールズ州の北東のインベレルでの産出が記録されています。オーストラリアのサファイヤは、グレイのみのブルー、非常に濃いブルー、グリーンみのブルーなど、美しさに欠けるものも多いのが特徴です。小粒の明度の淡いものを除き、大部分がアクセサリークオリティで、1カラットで1000円にも満たないものも存在しています。

カシミール産サファイヤ (無処理)

カンチャナブリ


カンチャナブリは、タイの西方、ミャンマー方向に位置します。数十年前からサファイヤの産地でしたが、パイリン産スリランカ産のギウダの出現により、カンチャナブリ産の人気は今ひとつでした。スリランカ産は若干のパープルみが美しさにつながりますが、それに比べると、ほんのわずかにグレイみが感じられます。しかし加熱処理技術が進歩し、またギウダの減少も手伝ってか、1980年代後半からカンチャナブリ産サファイヤが表舞台に出てくるようになったのです

カシミール産サファイヤ (無処理)

ナイジェリア


ナイジェリア産は1988年頃から市場に出始めたのですが、ピンからキリまでいろいろな品質のものを産出します。濃いめのものはスリランカ産と似ていて、若干パープルみがかかっています。バンコクの研磨業者には、アフリカ産は黒すぎてカンチャナブリ産に負けるなどといわれています、ナイジェリアは新しい産出地なので、今後の産出量と質がアフリカ産サファイヤの地位を決めることになると思われます。東アフリカではほかにファンシーサファイヤが産出されます。

選び方


ジュエリーの主石用には、予算に余裕があればスリランカ産のジェムクオリティのものを選ぶとよいでしょう。カンチャナブリ産のジュエリークオリティのものも、けっこう美しさを楽しませてくれます。オーストラリア産では、可能なかぎり淡めで小粒のものを使ったジュエリーが良いでしょう。逸品では、環流品がほとんどで数に限りがありますが、カシミール産のヴェルベティな優しいブルーを選定のポイントにします。またミャンマー産はメリハリのある力強いブルーが決め手です。1995年以降バンコック市場に出ているマダガスカル産とタンザニア産(トゥンドゥル鉱山)のブルーサファイヤ(加熱処理)にも魅力のあるものがあります。

カシミール産サファイヤ (無処理)

各産地における高品質のサファイヤの価値指数
(3カラットサイズの場合)

カシミール 10.0
ミャンマー 3.3
スリランカ 1.0
パイリン 0.3
モンタナ 0.3
カンチャナブリ 0.15
ナイジェリア 0.1
オーストラリア 0.03
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