諏訪恭一、ジュエリーを語る

14. ゴールドとダイヤモンド。

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価格の高騰で、ゴールドが注目されています。買い取りをしている宝石店は、ジュエリー売却のお客様の対応に追われています。結構な価格で換金できるゴールドやプラチナのネックレスや指輪は、資産価値があるという証です。

ゴールド1グラムは、1900(明治33)年ごろは1円34銭でしたが、第二次世界大戦後の1948(昭和23)年には326円と、200倍以上になりました。そして、2000(平成12)年には1948年の3倍の1,000円となりました。この50年間は安定していましたが、ドルでは10倍になっています。それが11年後の2011年に4,000円を超えたので、日本で売却に火がついたのです。

1カラットの中級品のダイヤモンドの卸価格は、1900年ごろは100円でした。1948年には300,000円と3,000倍に、しかし2000年には500,000円で1.7倍と、円では比較的安定していました。現在も1カラットサイズはあまり変わりませんが、3カラット以上の大粒の良品は、この10年間で2~3倍になりました。

1900年と2011年を比べると、ゴールドが約3,000倍、ダイヤモンドが約5,000倍になっています。ゴールドやダイヤモンドの価格変動は突然に大きくやってくるものです。これは、ゴールドやダイヤモンドの価値が急に上がるからではなく、通貨の価値は急激に下がることがあるからだ、と見るのが正しいのではないでしょうか。

財政危機などにより、借金が棒引きされるような事態が各国で起こる可能性を考えると、ゴールドやダイヤモンドは資産保全の重要な手段であるといえると思います。

2011/11/15