宝石の価値は、仕立てて身に着け、美しさを楽しみ心地よさを感じる所にあります。金庫やタンスにしまい込んで、そのまま保管しておくものではありません。前回も述べたように、身に着けないものは宝石のようで宝石でない、宝石としての価値を失っていると言っても過言ではありません。
身に着けないダイヤモンドジュエリーの代表は、0.2や0.3カラットのソリテールリングでしょう。多様なジュエリーが着けられている中で、生涯を通してこの手の指輪をはめている女性はあまり見かけません。このサイズのダイヤモンドは1粒では存在感が十分でなく、年を重ねて使えるものではないのです。しかしお店には、「ダイヤモンドの価値は4Cで決まる」と思い込んで、グレードが良ければ0.2や0.3カラットのソリテールも価値があると勘違いした商品が溢れています。
確かに研磨地では、ダイヤモンドの値付けに4Cを使います。しかしメーカーが良い構想でサイズやシェイプを選び、美しいジュエリーに仕立てなければ、身に着ける価値あるものにはならないのです。ラウンドのソリテールリングでは、1カラットや2カラットのサイズが、分散光やきらめきのバランスがよく、輝きが顕著でかつ指に馴染む大きさです。1粒では輝きが十分でない小粒のダイヤモンドは、1列に並べてセットすると連鎖の輝きを発し、大粒では得られない美しさを持つ日常使いの指輪に仕立てられます。どちらも10年後、30年後、50年後にも存在し楽しめる価値のあるものです。
4Cは素材のコストであって、ジュエリーの美しさや価値に比例しません。料理が下手だと、良い食材を使っても、旨いものにならないのと似ています。美しい装い、旨い味が価値の本質です。
2011/2/1
1. ジュエリーとは何か。〜受け継ぐ人に喜ばれること〜
2. 宝石の指輪はこわれやすい。
3. ダイヤモンドジュエリーの善し悪し。
4. 何故、石目方を打刻しないのか。
5. 社会貢献。
6. ダイヤモンドジュエリーの価値は4Cでは決まらない。
7. 指輪88。
8. 表紙の指輪。
9. 『指輪88』と復刻版『ダイアモンド』。
10. 枝葉末節。
11. 「roughdiamond.jpをスタート」。
12. 古代の指輪。
13. ジュエリーの売却。
14. ゴールドとダイヤモンド。
15. ダイヤモンドの買い取りから学ぶこと。
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17. 小粒のダイヤモンドは1列に並べて連鎖させたり一体化させたりしてその美しさを引き出します。
18. いざという時に役立つダイヤモンド。
19. ダイヤモンドの価値はカラットの2乗に比例する。
20. 自然のままのダイヤモンド。
21. ダイヤモンドは長い間磨かれずに、そのまま身に着けられていた。
22. 自然のままで美しいダイヤモンド。
23. 自然のままのダイヤモンドジュエリー。
24. 宝石の品質の見分け方。
25. 宝石の価値判断のための価値比較表。
26. 予算に応じた価値あるジュエリーの選び方。
27. ジュエリーにはどんな価値があるのか。
28. 20万円前後または50万円以上のものだったら具体的にどんなものを選んだらよいか。
29. やめておいた方が良いという事例。
30. どこでどんなふうに選んだらいいのか。