大正12年(1923年)発刊の岩田哲三郎著『ダイアモンド』が復刻されました。この本は、GINZA TANAKAの前身である山崎商店出版部から発刊されたもので、著者が1918年と1920年の二度の欧米視察で得たダイヤモンドに関する情報―鉱物としての特性、研磨や加工、世界の市場などが、わかりやすく記述されています。
岩田氏は、『寶石を單に傳家の至寶として珍蔵するよりも、装身具として佩用(はいよう)することが、一層人類本然の欲求に合致するものと言ひ得られる』と言い切っています。私は、宝石は身に着けて楽しむことに価値があり、投資と考えたり、大事にしまっておくものではない、と常々から思ってきました。岩田氏が90年も前に、ダイヤモンドの本質を「身に着けること」と言い切っていたことに驚き、感銘しました。
指輪は、「人の想いを入れておく箱」です。目で見たり、手に取ったりすることのできない「想い」を確認し、人に伝えることができる言葉のようなものです。明治から大正にかけて日本は西洋化されました。しかし、指輪や宝石は高価で珍しい存在として受け入れられはしましたが、「人の想いを入れておく箱」という文化的な側面は十分に理解されずに、今日まで来てしまったのではないでしょうか。
日本人は「想い」を俳句や短歌などで表現してきました。西洋から入った指輪が、すぐにそれに代わることはできなかったのです。『指輪88』と復刻版『ダイアモンド』の二冊は、「人は何のために指輪や宝石を身に着けるのか」を、私たちに語ってくれます。
写真右 : 指輪88 /
四千年を語る小さな文化遺産たち
淡交社
写真右 : 復刻版『ダイアモンド』
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2011/5/17
1. ジュエリーとは何か。〜受け継ぐ人に喜ばれること〜
2. 宝石の指輪はこわれやすい。
3. ダイヤモンドジュエリーの善し悪し。
4. 何故、石目方を打刻しないのか。
5. 社会貢献。
6. ダイヤモンドジュエリーの価値は4Cでは決まらない。
7. 指輪88。
8. 表紙の指輪。
9. 『指輪88』と復刻版『ダイアモンド』。
10. 枝葉末節。
11. 「roughdiamond.jpをスタート」。
12. 古代の指輪。
13. ジュエリーの売却。
14. ゴールドとダイヤモンド。
15. ダイヤモンドの買い取りから学ぶこと。
VIDEO(16 〜)
17. 小粒のダイヤモンドは1列に並べて連鎖させたり一体化させたりしてその美しさを引き出します。
18. いざという時に役立つダイヤモンド。
19. ダイヤモンドの価値はカラットの2乗に比例する。
20. 自然のままのダイヤモンド。
21. ダイヤモンドは長い間磨かれずに、そのまま身に着けられていた。
22. 自然のままで美しいダイヤモンド。
23. 自然のままのダイヤモンドジュエリー。
24. 宝石の品質の見分け方。
25. 宝石の価値判断のための価値比較表。
26. 予算に応じた価値あるジュエリーの選び方。
27. ジュエリーにはどんな価値があるのか。
28. 20万円前後または50万円以上のものだったら具体的にどんなものを選んだらよいか。
29. やめておいた方が良いという事例。
30. どこでどんなふうに選んだらいいのか。