第3回SUWAラフダイヤモンドジュエリーコンテストに、国内を中心に231点のご応募を頂きまして、心より御礼を申し上げます。
今年のコンテストも昨年と同様に、優秀なデザイン3点を実際のジュエリーに仕立てて、出来上がった3作品で、最終審査を行いました。出来上がった作品はどれも良く出来ており、最終選考は難航しましたが、ラフダイヤモンドが活かされている点で全員の意見が一致し、最優秀賞が決定しました。
今年も、山脇美術専門学校様のご協力を得て、2012年7月13日(金)~7月19日(木)の7日間、全応募作品を一堂に展示する機会を頂きました。山脇美術学院様のご協力に感謝いたします。初日にはセミナーと表彰式を行いました。応募者の皆さんの思いが込められた個性ある力作と実際のジュエリーになった入賞作品を一般およびプレスの方々に広くご紹介させて頂き、盛況のうちに終了したことをご報告いたします。これも、ひとえに応募してくださった皆様のおかげです。厚く御礼を申し上げます。
ダイヤモンドは「硬く」「小さく」「時空を超えた」存在です。古代ローマ(紀元前3世紀)の人々は、正八面体のダイヤモンドの類い稀な硬さに驚き、小さなダイヤモンドに大きなパワーを感じていたようです。ダイヤモンドは身を守ってくれると強く信じて、その想いを指輪に込めました。ダイヤモンドの研磨が可能になった14世紀末以降も、人々は正八面体のダイヤモンドのパワーを信じて、自然のままのダイヤモンドを好んできました。
ダイヤモンドジュエリーの原点に触れることによって、そして、このコンテストを通して、ダイヤモンドの永遠の価値と魅力を感じて頂ければ幸いです。
また来年も同じ時期にコンテストを開催する予定です。弊社サイトにて発表させて頂きますので、ぜひまたご参加ください。
平成24年7月吉日
諏訪貿易株式会社
取締役社長 横川道男
0.75ct ソーヤブル (Sawable) DTC Mix 注1
1.15ct メイカブル (Makeable) Angola 注2
3.96ct ソーヤブル (Sawable) Russia 注1
最優秀賞
長嶋 泰子さん (東京都) / 作品タイトル『リリパット国にて』
(講評)
デザイン画の時点では、細い丸線部分の強度が心配だったが、職人、横山達三氏がとても上手く仕上げてくれた。イエローゴールドの球とライン、艶消しの具合、腕周りの槌目、全体がバランス良くまとまっている。更に腕周りの菱形の抜きが程よいアクセントになっている。ラフダイヤモンドが大きいのもあり、若干の高さが気になるが、指にはめると以外にしっくり来るリングに仕上がった。
優秀賞2名 (順不同)
花崎 理佳さん (岡山県) / 作品タイトル『星々のめぐり』
(講評)
デザイン画は抽象的で細部の表現がなく荒削りだが、小粒のラフダイヤモンドを散りばめてシンプルなリングにした点、更に太さの異なる3本のリングで組み合わせを楽しめる点を高評価した。作品はコンテンポラリーなリングに仕上がった。デザイン画の通りに高さを抑えたため、石留めの強度に若干の不安が残るので、もう少し上部を厚めに取るべきだったか。ウェディングリングとしても使えそう。
二宮 久美さん (京都府) / 作品タイトル『万年夜桜』
(講評)
ラフダイヤモンド、漆黒の七宝、イエローゴールド、更に桜の花びらのモチーフを散りばめ、和を感じさせる組み合わせを高評価した。七宝を載せるため、デザイン画のように内反りではなく、緩い甲丸状に製作。花びら部分を別パーツにし、七宝を載せた後に花びら部分をかしめて留めた。七宝で製作するなら、七宝下の地金に紋様をつけて、半透明の色を載せて、七宝部分に遊びと深みを出したかったが、七宝の黒は透明でないので、それは叶わなかった。黒ではなく濃紺なら、それが出来るので直前まで悩んだが、デザイン指示を優先した。
佳作10名 11作品(順不同)
チャレンジデザイン賞
チャレンジデザイン賞
『発見』
板野竜也さん、埼玉県
『鉱脈』
林子瑜さん、台湾
『Diamond-X』
岩澤愛子さん、静岡県
『磨かれて』
今井功さん、大阪府
『ice』
花崎理佳さん、岡山県
『Loop』
杉浦菜名子さん、東京都
『財宝とロマン』
大橋敬弘さん、東京都
『GAIA(ガイア)~ダイヤモンドの誕生~』
橋本早苗さん、埼玉県
『天の涙』
橋本早苗さん、埼玉県
『Giving Birth:生命の誕生』
鈴木真理さん、沖縄県
『Wing』
田中友美さん、埼玉県
コンテスト総評
今年も昨年と同様、応募期間中に原石下見会を開催しました。下見会参加人数が昨年よりも増え、関西からご参加の方もいらして、とてもありがたく思います。テーマのラフダイヤモンドの動画をサイトに載せておりますが、1つ1つ形の異なるラフダイヤモンドを使うジュエリーはまだまだ馴染みが少なく、応募者の皆さんにとっても表現の難しさがあったかと思います。しかし、このコンテストも3回目を迎え、皆さんのレベルの向上を実感しております。ラフダイヤモンドの魅力をうまく捉え、それがデザインに反映しているものと思われます。
どの応募作品も皆さんの努力が伝わる力作ばかりで、審査員5名、大いに悩み、議論を交わし、選考を行いました。
入選12名中、学生が2名、デザイナーが10名でした。皆さんの今後の活躍に期待いたします。
今年は佳作の中から意欲的なデザインを表彰する『チャレンジデザイン賞』を設けて、2名が選出されましたことを報告いたします。
各審査員からのコメント
吉野 眞二氏 山脇美術学院 学院長
最終的にラフダイヤモンドがシンプルに活かされているものに魅力を感じた。入選作品はどれもそれに相応しいと思う。個人的には今までのジュエリーの枠組みを超えたものが少ないのが残念。今までのジュエリーの既成概念を超えたものも期待したい。
露木 宏氏 日本宝飾クラフト学院 理事長
入賞3作品は、コンテンポラリーなもの、和のテイストなもの、中世のようなものと、それぞれ特徴がありバランスが取れていて面白いと思う。3作品を製作した職人さんも評価したい。最優秀賞のリングは、ぜひ男性に身に着けてもらいたい。
大前 英史氏 エディトリアルデザイナー 大前デザイン室代表
一次審査には参加できなかったが、相応しい作品が選出されたと思う。3回目を迎え、レベルの向上を感じる。研磨されたダイヤモンドとは全く異なる、『自然のままのダイヤモンド』の魅力をもっと多くの人に知って欲しい。
吉岡 千加子氏 マーケティングプランナー YSプランニング代表
唯一の女性審査員として、引き続き今年も身に着けた時を想定して選考しました。どれも力作で思い悩みましたが、ラフダイヤモンドが活かされ、身に着けて楽しいものを選びました。
横川 道男 諏訪貿易株式会社 社長
231点の応募デザインはどれも真剣に描かれているのがヒシヒシを伝わり、製作する3作品の選考は悩みました。入賞の3作品は自然のままのダイヤモンドがそれぞれ違う形で活かされたものだと思います。
審査の様子
SUWAラフダイヤモンドジュエリーコンテストには、日本、台湾から231点のご応募を頂きました。一次審査は、2012年6月7日(木)、諏訪貿易(株) 2Fサロンにおいて、厳正に行なわれました。
最初に、審査員が各作品のデザイン意図を確認しながら、それぞれの感性で、231点より34点を選考しました。
その後、34点について、オリジナリティー、着用性、ライフダイヤモンドが生かされているかの項目で5段階採点され、上位14点が入賞作品として選考されました。
その後、更に、製作指示内容の確認を含め、協議によって、14点から3点が選考されました。この時点で残りの11点の佳作が決定し、2012年6月8日(金)にサイト上にて一次審査結果発表後、入賞作品3点の製作に入りました。
今年は、七宝の入ったリング製作を、ジロンジュエリー(株)に依頼し、他の2点の製作を横山達三氏に依頼しました。
7月上旬に、入賞3作品が完成し、2012年7月10日(火)に最終審査を行い、最優秀賞を決定しました。
短い納期で作品を製作して頂いた、横山達三氏、ジロンジュエリー(株)に感謝いたします。
作品展の様子
セミナーの様子
※ 切手をお送り頂いたデザイン画の返却希望者のデザイン画は、2012年7月23日(月)に投函いたしました。返却をご希望されなかった方々の作品はこちらで保管いたします。
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